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受験用の英語学習 その1

あるレポート(*1)によると2016年発表での日本の英語力は世界35位だそうです。アジアの中でも10位と低い評価で、また前年の30位から35位へと下落しています。

残念ながら、この結果は正当なものと言わざるをえません。

低い評価の理由は、日本の社会生活で英語が必須でないことと関係していると思いますが、一般的に英語を中学から大学まで学習していることを考えると、あながちそれだけではないのでは、と推測しています。

 

そう考える背景として、昨今の塾、予備校、英会話スクール、幼児からの英語教育、会社での語学研修などを通じての英語学習に費やしている時間を加味すると、さらに学習時間が増す割には成果が上がっていない、と判断できるからです。

 

そもそもこの「評価」とは一体何なのでしょうか。

 

このレポートの基礎データとなっている指標はEF EPI英語能力指数で、そのスコア計算はヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)に基づいています。

ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)とは、世界で行われている検定試験の評価基準の元となるもので、日本では文科省も各種語学力検定試験とCEFRを対応させることで、それぞれのスコアの正当性を担保しています。

そのCEFRの評価の特徴は、その基準が言語に関する知識(語彙や文法など)ではなく、学習者 が当該言語を用いて「何が」できるのか、その行動が「どの程度うまく」遂行できるのかに基づいていて、 全てCan-do statement で記述されている点です。その上で「読む」「書く」「聞く」「話す」が必然的に問われることになります。

 

一方、従来型の日本英語教育の評価は、「受験英語」に集約されます。

受験英語では、言語に関する知識(語彙や文法など)の習得そのものを目標としてきました。また「話す」「聞く」の要素が欠落した試験であったため、それらの能力向上が達成できなかったとみることもできるかもしれません。

 

それなら、「話す」「聞く」能力を向上されれば問題解決ね、と言うと、それほど問題は単純ではありません。

 

次回、もう少し掘り下げてご紹介します。

 

*1http://www.efjapan.co.jp/epi/